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クリングスフィッティング  その5

U字タイプのクリングス足も、スネーク同様に良く見るといくつかのタイプに分かれています。主な違いは、Uの頂点から箱のロー付け位置までの距離の違いですので、まずはそれを見ていきます。

調整不可タイプ

調整不可タイプ   

リムロー付け位置より、Uの頂点までの距離が無いので、これ以上クリングスパッドを下げる事は出来ない。

仕入れの際に注意が必要です。

 

頂点より直ぐロー付けのタイプ

頂点より直ぐロー付けのタイプ  

Uの頂点から箱まで距離がほとんど無いので、ヤットコ先がUの間に入りにくく、調整しずらい。

 

標準タイプ

標準タイプ  

一番標準的なU字のタイプ。ニシムラNo.623を使えば、調整は容易にできる。リムのロー付け位置からUの頂点までの距離も十分にある。

 
ロー付け位置までゆったりタイプ
ロー付け位置までゆったりタイプ  

たまに、箱のロー付け位置からUの頂点まで、ゆったり長いタイプを見かけます。標準タイプほどの下方への調整量は無けれど、ニシムラNo.651とNo.623を組み合わせれば、U字タイプの中では、調整によるクリングス足の痛みが最も少ない。

 

一口に、U字と言っても、注意してみると商品によってこれだけの違いがあります。全体の半分は「標準タイプ」の足を使っていますが、調整の出来ないタイプも多く出回っています。後々の事も考えて、仕入れはその点を十分見極めましょう。

 

クリングス調整も、そろそろ、コツが少し見えてきたでしょうか?

実際に調整を始めると、ほとんどのケースでパッドを下げなくてはならない事に驚かされたと思います。スネークでも、U字でも、どちらも上手に下げる事が大事になりますので、主にその点を解説していきます。

 

U字の調整とスネークの調整の大きな違いは、

U字の足を調整する時には、必ずパッドを外して行います。

これ、すごい重要です。

 

それではU字タイプのクリングス調整を実習していきます。

 

使用するヤットコはNo.632、No.651、No.395になります。

まず、基本の基本は、パッドを外し、上から見た足の「ハの字」を直したら「頂点より直ぐロー付けのタイプ」と「標準タイプ」の場合はNo.632を、「ロー付け位置までゆったりタイプ」の場合はNo.651にて、調整をスタートして行きます。

写真 E

写真 E   

スネーク同様に、ロー付け位置付近に人指し指を触れさせて、調整する付近を安定させます。

U字は、無調整ですと(上から見ると)ハの字になっています。

写真 F

写真 F  

このハの字をレンズと垂直に立てるようにすると、今後の調整がずっとやりやすくなります。

ここまでの作業のヤットコはNo. 651がベストですが、No.632でも出来ます。

写真 G

写真 G  

ここからの調整はNo.632を使います。箱ロー付け上部から、Uの頂点までの間に、ヤットコ先の円錐側を内側に差し入れるようにして挟む。この時からは、金属同士が触れてきますので、ヤットコを握る力は最低限にする事が、大事です。

写真 H

写真 H  

挟んだら、そのままUを開いていく。力の方向は上に引っ張るよう感じで、下に下げる分だけ角度を開きます。

目安としては90度開いて(上に上げて)5ミリぐらい下がる感じです。

写真 I

写真 I  

開く角度が決まり、落ち着いたら、ヤットコの挟む位置をリムの方へずらします。出来るだけリムギリギリのところを掴むのがコツです。

ヤットコ先の円錐の太さは、本来は、合わせる人の頂点間距離を考慮しながら決めますが、慣れるまでは、円錐の丁度中間あたりが調整しやすいと思います。

写真 J

写真 J  

しっかりヤットコを挟んだら、ヤットコ全体をレンズ面に押し付けるように、下方へグルグルと回していきます。この時には、力はレンズ面に押し付けるだけです。

綺麗なUの字の様な形を作るコツは、足は回せば自動的に下方へ下がるので、下へ、下へと云う意識が無い方が、上手くいく場合が多いです。

写真 K

 

しっかりヤットコを挟んだら、ヤットコ全体をレンズ面に押し付けるように、下方へグルグルと回していきます。この時には、力はレンズ面に押し付けるだけです。

綺麗なUの字の様な形を作るコツは、足は回せば自動的に下方へ下がるので、下へ、下へと云う意識が無い方が、上手くいく場合が多いです。

 

写真 L

調整が一段落したら、パッドを取り付け、位置や角度を確認していきます。下げ足りなかったり、下げすぎてしまった場合は、またパッドを外して、Gの動作から繰り返します。

 

禁則について

写真 M
写真 M
写真 N
写真 N

写真Nは、ただ下に引っぱっただけ。

これでは、ロー付け上部より角度がついてしまい、そこからメッキが剥がれやすくなったり、素材自体が痛みやすくなってしまいます。U字はUの形の様にカーブにはどこも角が無い自然な形作りをしていきましょう。(Vやコの字はNGです)

 

U字足の幅詰め、広げ

写真 O
幅つめ1
写真 P
幅つめ2

写真Oがノーマルな状態です。

鼻根が広い人などは、クリングスパッドの間隔を随分と広げる場合があります。反対に鼻根の狭い人は間隔を狭めるわけですが、U字足の場合はNo.651を使い調整していきます、

まずU字の直線部分を両方一緒にヤットコ先で掴みます。それから、広げる場合は、そのまま外側に回していき、詰める場合は内側に回して、最後にNo.395で、形を整えます。スネークは慣れればクリングス足を下げる時に一緒に幅を詰めたり広げたりできますが、U字はその点は不得意なので、一つ一つの動作になります。


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