ヤットコを使用した本格的なフィッティングに入っていきますので、横田流の原則を、もう一度確認いたしますが、フィッティングのメインは加工前になります。お渡しの時のフィッティングは、性格の違うものですので、本書の解説は全て加工前のお話になります。
では、今回はテンプルフィッティングと題して、主に「智」の開閉についてと、テンプルの形状(モダン付け根まで)について解説していきます。
フィッティングの手順の項で解説しましたが、フレームを最初に顔に乗せる時、まずは左右の頂点間距離を揃えながら、少々緩めを目安に調整し、フィッティングがスタートします。
まず智の調整(開閉)から始めていきましょう。写真を参考に、ヤットコを上手に選択して下さい。セミナーなどを行っていると、手の指のみで智の開閉を行う人を見かけますが、丁番のロー付け面に力が全て加わりますので、よくありません。
それと、力の方向ですが、ただ力任せに、ヤットコを開いたり閉じたりするのではなくて、「智」の角度自体が開いたり閉じたりするような力加減が必要です。そうでないと、リムと智のロウ付けのあたりがネジれるだけなので、後の加工にも悪影響ですし、フレーム自体が痛みます。この点を注意しましょう。 |