クリングスフィッティング その6
クリングスフィッティングを5回に分けて解説してきました。
スネーク、U字と共にヤットコの選択、使い方などは、何となく道筋がついたかな・・・と思います。その6では、補足的なお話をしていきます。
まずはパッドのお話です。クリングスパッドの大きさは、顔のクリングスフィッティングポイントの接地面あたりの形状や、選んだフレームの大きさやデザインによって、変えていきます。
つまり、フレームに最初から付いているパッドを疑いも無く、そのまま使う考えは止めて、その顔(お客様の顔)、そのメガネ(お客様が選んだメガネ)に、ベストな物があればそのタイプに交換しましょう。力と圧力の関係で、大きめのタイプの方が安定が良く、見た目に影響の無い範囲内で大きめをチョイスしましょう。
サイズは大まかに9〜19ミリがほとんどで、その中でも15、17、19ミリを多く使います。
(もっと小さい物もありますが、ここでは説明を省きます)
パッド裏のネジ凸形状は、ネジ式の凸とワンタッチ式の凸です。ネジ式は、ネジの太さがインポート用の1mmのタイプと、国産フレーム用の1.2mmのタイプがあります。
上の写真の様に、パッドケースをあらかじめ3種類(インポート・国産・ワンタッチ)用意しておけば、パッド交換がスムーズにいきます。ケースの中は各タイプごとに大きさを数種類用意しておき、調整するフレームに、どれぐらいの大きさにするか?どんな形を使うか?を決める。
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パッドの中でも、一番オーソドックスな上広下狭タイプ。サイズ、硬さも多く揃っていて、いろいろチョイスできる。一番揃えやすい基本のパッド。 |
どんぐり型の上狭下広のタイプ。顔のフィッティングポイントあたりの形を見ると、このタイプも良い。ただ、大きなサイズは市販されていないのが残念。 |
丸型のパッドは、見た目は可愛く、小型フレームにはウケが良いが、パッド面積が小さく、ネジの凸部分が上下中心にあるために、調整もしずらい。 |
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小判型のパッド。丸型よりも設置面積が多いが、やはりネジ凸の位置が、上下の中心にあるために、調整量が多くなる。
オススメできない |
細長タイプ。それほど多くは見かけないが、ネジ凸位置が上部に付いているために、調整が少し楽になる。使用は問題なし。 |
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パッドの形のまとめ
クリングスフィッティングで勉強した時に、パッドは下げるのが原則ですと、お話しました。となると、パッドのネジ凸位置は、パッド中心よりも上にあった方が下までの距離が稼げますので良い結果になります。そうすると、上広下狭タイプか、上狭下広タイプが一般的です。これはどちらでも良いと思います。一番大事なのは大きさです。なるべく大きなパッドに取り替えましょう。 |
☆クリングスフィッティングが満足に出来ないフレーム考
現在販売されてるフレームの多くは、フィッティング=調整をあまり考えて作られていません。言い方を変えれば、考えてフレーム作りをしているメーカーは、とても少なく、フィッティングしやすいフレームを仕入れをするのが大変です。この項ではクリングスフィッティングの勉強をしてきましたが、下の写真に示したように調整しずらい、又は出来ないフレームを多く見かけます。
さて、どうしたものでしょう・・・・・このままでは折角勉強してきたフィッティングも、こんなフレーム(クリングス足が調整出来ない)ばかりでは、フィッティングが上達しても腕の奮いようがありません。
この類のフレームをお勧めする時は、そのお客様の顔をみて、クリングスの調整をほとんどしなくて良い顔の人に、お勧めする・・・と云う、なにか無茶苦茶な商売になってしまいます。
フィッティングは仕入れから・・・と云います。
どうぞ、仕入れの際はその点を見極めて!
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U字の上部に遊びが無い為に下方への調整がほとんど出来ない。しかも足自体が短いので、山幅の調整も容易ではない。 |
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ブリッジを中心としてクリングス足をロー付けしたタイプ。山幅の調整と、パッド面の調整は容易にできるが、下方への調整は、まず無理。 |
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リム内側からニョッキリ生えているようなクリングス足。パッド面の角度は問題なく合わせられるが、下方には、まず調整できない。 |
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一山の是非を問おうとは思いませんが、このタイプももちろん調整できません。
が、その昔は一山の山幅調整しているお店もあったとか・・・・と、聞いたことがあります。 |
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