スークタイプの調整を実習していきましょう。
その前に、スネークタイプのクリングス足は、どんな種類があるのか分類します。
例外を除いては、下記3種がほとんどです。
下ロー付けタイプ |
足つきタイプ |
上ロー付けタイプ |
|
|
|
スネーク中でも一番一般的なタイプです。パッドを下げる為に、足を下方に調整すると、ロー付け上部が鋭角に曲がってしまう為、そこから傷みやすい。
ヤットコ自体はパッドも足も掴みやすいので調整は、しやすい。 |
大手メーカーがよく採用している足になります。パッドを下げる為に調整すると、ロー付け上部は問題ないが、第1カーブを鋭角にしなければならず、しかも第2カーブがレンズに接近してしまい、とても調整がやりにくい。 |
このタイプの足を採用しているメーカーは少数ですが、下方に調整しても、鋭角の部分が無く、元々曲がって箇所を伸ばすだけの作業になるので、足の痛みもあまり無く、とても調整がしやすい。現状ではスネークの中で1番良い。 |
「その2」で解説した、未調整と調整後のクリングスパッド(以下、パッド)の位置を見直して下さい。現在、売られているフレームのほとんどは、パッドの位置が上にあって、そのまま掛けると、うまくフィッティングポイントに乗りません。ほとんど下げて調整しなくてはならないので、その点を一番に考慮すると写真右の「上ロー付けタイプ」が理に適っています。
フィッティングは仕入れから・・・・・と云います。
仕入れの際には、少しだけでも結構ですから、クリングス足の形状にも注目してみてください。何かが見えてくるかもしれません。
では、スネークタイプの足の調整の仕方(下げ方)を具体的に見ていきましょう。
次に、真上から見てUの部分を、両方一緒に掴み、素直に真下に下げていきます。そうすると、水平のUから垂直の「く」の字の様になります。(写真B)
目的量まで下がったら、パッド下部が対のパッドに向かうように、ヨジリながら曲げる。(ブリッジ中心に向かうように)ここが写真では難しいので、良く見て確認して下さい。(写真C)こうする事によって「く」の字の上の「/」の部分が下方に伸びて、パッドが楽に下方へ移動し、さらに次の作業(写真D)が断然やりやすくなります。
写真 D |
|
写真 E |
|
|
|
ヤットコをパッド掴み(No.395)に持ち替えて、さらにパッドを下げる感じで、足の形とパッド面を整えていく。↓方向へ力を加える。 |
|
この方法だと、写真の様に3ミリ程度は下げることができます。 |
これ以上、(3ミリ以上)パッドを下げる場合は、動作が一つ増えます。
こちらも練習しましょう。
写真 F |
|
写真 G |
|
写真 H |
|
|
|
|
|
これ以上下げる場合は、写真Bの前に、動作を1つ追加します。 まず、足の箱のすぐ上部をヤットコで掴みます。(写真F) 次に下げたい量だけ、(パッド)足を回転させて(写真G)上げていきます。5ミリ以上下げる場合は、パッドを直角ぐらい上げていきます。写真Hの様になったら、写真Bまで動作を戻し、水平Uを掴んで、パッドを下げていきます。こうする事によって、直接写真Bの様にするよりも、写真Gの動作ではるかに多い量が下がります。 但し、この方法で、調整してしまうと、下げ過ぎてしまった時に、戻すのに苦労します。場合によっては、うまく戻りませんので、厳重に注意が必要です。 |
さらに下げるケースもあります。
写真 I |
|
|
|
|
そして左右を合わせるためや、特殊な顔立ちの人には、さらに下げたくなる時もあると思いますが、そんなときは、写真Iの方法で下げていきましょう。
写真Bで掴んだUの曲がり一番奥の点に、ヤットコ(No.190)をそのR角度よりも、さらに太い部分を当てて、「く」の字の角度をさらに広く直線に近づけるように、力を加えていきます。
コツは、↓方向へ押し込む感じです。
最初は無理せずに、ヤットコ先の細めの所を使い、徐々に太い所へヤットコを滑らせていきます。
写真を見る限りでは、調整は簡単に見えますが、実際にこの方法でクリングスを下げてみると、まず左右が揃わない事が多いと思います。それから、合わせよう、合わせようと思って、ヤットコで足を挟んで・・・・・を、繰り返していると、当然足が痛んできて、カラーメッキなどでは、カラー剥がれが目立ってきたりしていまします。
ヤットコを握る力は最小限に、ヤットコを挟む回数も最小限に・・・・・を心がけましょう。 |
足つきタイプの欠点
|
|
クリングス足の上部を見ますと、第1カーブが鋭角になっているのが解ります。これ以上下げる事はまず無理で、クリングス足を痛めるだけです。足つきタイプは、パッド下げようとすると必ずこの形になるので、下げ量が多い方には向きません。下げ量の多い方は、上ロー付けタイプか、U字が良いと思います |
|
|
|
|
|
上の写真は、足つきタイプを上部から撮影した物。鋭角に曲がっているカーブがレンズ面とほぼ平行になっています。これでは強度のレンズですと、レンズと足が接触してしまい上手くありません。場合によってはレンズの面取りを深くしなければならず、見た目にも影響します。
ですので、仕入れの際には、十分気をつけて下さい。 |
下げすぎてしまった場合
|
|
スネークタイプの足を下げすぎてしまった場合は、No.651(又は632)で「く」の字の部分をヤットコ先で挟んで、フロント上部へ持ち上げます。それができたら、No.395でパッドの角度を調整します。 |
|